皆さんは無意識のうちにこのように考えていませんか。

「やる気が出ないから行動できない」

多くの人はこう考えています。しかし実際の脳の仕組みは逆で、

行動するからやる気が出る

この現象は心理学で 「作業興奮」 と呼ばれています。

この記事では、

  • 作業興奮とは何か
  • なぜ行動するとやる気が出るのか
  • 作業興奮を利用して継続する方法

についてわかりやすく解説します。

私もかつては、

  • 「やる気がない」
  • 「モチベーションが湧かない」
  • 「気分が乗らない」

などという理由で行動を先延ばしにしていました。

けれども、この作業興奮を用いるようになってから、作業の生産性やスピードが格段に良くなりました。

今回は「根性」「やる気」などといった精神論ではなく、「科学に基づいた理論の話」です。

全ての人に効果があるので、ぜひとも「作業興奮」を習得してください。

それでは本編へ。

作業興奮とは何か

作業興奮のイメージ画像

作業興奮とはその名の通り、作業を始めることで脳が活性化し、集中力ややる気が高まる現象です。

つまり、

  • 「やる気が出たから始める」⇒ ×
  • 「始めたからやる気が出る」⇒ ○

ということです。

例えば、

勉強を始めるまでは面倒だった

5分くらい続けると集中してくる

このような経験は誰でもあると思います。

私の場合は、ブログ執筆がそれにあたります。テーマを決めた後に、どうしてもやる気が湧かない時もあります。

けれども、5分文章を書き始めたら、後は勝手に手が文章を書いてくれています。

これは気合や根性ではなく、脳の仕組みとして自然に起こる反応なのです。

作業興奮の研究(クレペリンの実験)

心理学の実験

作業興奮の原型となる研究は、ドイツの心理学者エミール・クレペリンによって行われました。

クレペリンは被験者に対して、単純な足し算を延々と続ける作業を行わせました。すると興味深いことが分かりました。

作業を始めた直後よりも、時間が経つほど作業効率が上がったのです。

普通に考えると

  • 作業時間が長い
  • 疲れる
  • 集中力は落ちる

と思います。しかし実験では逆の結果が出ました。これは、

作業によって脳が徐々に活性化するため

だと考えられています。

尚、このクリペリンの実験では「作業曲線(work curve)という言葉が用いられています。

実験では、

  • 作業開始直後はパフォーマンスが低い
  • 数分〜数十分で作業量が増える
  • その後疲労で下がる

⇒ 作業効率に波がある ⇒ 作業曲線 

The Making of Modern Psychiatry

また、このクリペリンの作業曲線を基にした学術研究において、

  • 練習(Übung)
  • 慣れ(Gewöhnung)
  • 疲労(Ermüdung)
  • 意欲(Antrieb)
  • 興奮(Anregung)

⇒ これらの要素が作業曲線に影響する 

[Factorial study of the Uchida Kraepelin psychodiagnostic test: intra-individual difference by P,O-technic factorization]

日本ではこの研究を基にした「内田クレペリン精神検査」というものも行われるようになっています。 内容としては、

  • 1桁の足し算を延々続ける
  • 1分ごとに行を変える
  • 作業量の変化を見る

⇒作業効率、注意力、集中力を見定める

DEVELOPMENT OF THE “UCHIDA-KRAEPELIN PSYCHODIAGNOSTIC TEST” IN JAPAN

なぜ作業するとやる気が出るのか

作業興奮の原理

作業曲線のイメージ図

作業興奮には、脳内の神経伝達物質が関係しています。

カギとなる脳内物資物は

ドーパミン

です。行動を開始すると脳は

  • 集中する必要がある
  • エネルギーが必要

と判断します。すると脳内では

  • ドーパミン
  • ノルアドレナリン

などが分泌され、

  • 集中力
  • 注意力
  • モチベーション

が高まります。つまり、

行動そのものが「やる気スイッチ」になっている

のです。

皆さんも、かつてこのような「没頭状態」に入ったことがあると思います。

  • 気付いたら集中していた
  • 長時間没頭できた
  • 作業が止まらなくなっていた

このタイミングの時、あなたの脳内は脳内物質が絶妙な割合で混ざり合った状態です。

この脳の状態を「flow」と呼びます。この時のあなたの脳は

  • 集中力が落ちない
  • 思考力/判断力が冴えている
  • 一つのことだけを考えられる

⇒ 最強状態

圧倒的な効率で作業をこなすことができるのです。

やる気が出ないのは普通

勉強のやる気が出ていない人

ここで重要なのは、やる気が出ないのは異常ではないということです。

むしろ人間の脳は、

  • エネルギーを節約する
  • 無駄な行動を避ける

ようにできています。そのため

  • 勉強
  • 仕事
  • 運動

のように負荷が高い行動には最初は強い抵抗を感じます。

このことについてまとめた記事もあるので是非ご覧ください↓

「先延ばしを防止する方法」を紹介する記事のアイキャッチ画像
先延ばしをやめる方法|行動できない原因と対処法やるべきことを先延ばししてしまう人へ。中二での経験から学んだ、今すぐ行動できる思考法を解説。意志力に頼らず自然に動ける考え方を紹介します。...

しかし一度動き始めると作業興奮によって脳が活性化し、行動を続けやすくなります。

物事は始めるタイミングが最もしんどく、後は惰性で走り続けられるのです。

私の場合、学校のレポートを作り上げるときに

  • 面倒くさい
  • やりたくない
  • けれどもやらないといけない

このような考えを永遠と繰り返して結局始めてなかった、ということが何度もありました。

その結果、自己嫌悪に陥ったこともありました。

けれども「やる気がないのは当たり前」ということを知ってから、気が楽になったのを覚えています。

  • 「やる気がない」
  • 「モチベーションが湧かない」
  • 「面倒くさい」

こう感じるのはあなたの根性が弱いからではありません。全て「人の脳の正しい挙動」なのです。

作業興奮を利用する3つの方法

作業興奮を理解すると、「継続できない問題」をかなり解決できます。

重要なのは

やる気を作ることではなく、行動を始めること

です。ここでは実践的な方法を紹介します。

まず4分だけやる

まず4分だけで作業を始めてみる

最も簡単な方法は4分だけ作業することです。

  • 4分だけ勉強する
  • 4分だけ作業する
  • 4分だけ運動する

なぜ4分なのか、と思われるかもしれませんが、ここにも科学的根拠が存在しています。

それが、「ズーニンの法則」と呼ばれる心理効果です。

【ズーニンの法則】

作業興奮4分の法則(ズーニンの法則)は、米心理学者レナード・ズーニンが提唱した心理効果です。

「勉強や仕事は、最初の4分間無理にでも集中出来たら、その後は脳が作業興奮状態に入れる」というもの

脳内の報酬系が働き、ドーパミンが出てやる気が湧いて、結果的に深い集中状態に入れます。

多くの場合「4分だけ」のつもりが、そのまま30分〜1時間続きます

②作業のハードルを極限まで下げる

作業の行動開始ハードルが低い状態

①の方法でうまくいく人もいるかもしれません。 けれども、まだ不十分な方もいらっしゃるかもしれません。それが、

「行動」の一歩目が踏み出せない

4分間作業することができなかったら、その後の長い集中状態に入ることすらできません。

そんな方のために、「まず4分間作業に入るための方法」をお伝えします。それが、

「行動ハードルを極限まで下げる」

過去の記事でも記したことなのですが、多くの方が行動できない理由、それが

行動の「全体像」を見すぎている

  • ジムに行って筋トレする
  • 英語を勉強する
  • ランニングを始める

⇒ 脳が負荷に感じやすい

そのため、それぞれの行動の「合格ライン」を低く設定しましょう。

  • ジムに到着するだけでOK
  • 英単語帳を開くだけでOK
  • 靴を履いて外に出るだけでOK

行動の「合格ライン」が高いままだと、達成できなかったときに自己嫌悪に陥る可能性があります。

  • 今日もできなかった
  • やっぱり自分はだめだ
  • なんで努力できないんだろう

⇒ 余計に行動できなくなる

一方、行動の合格ラインが低いとこうなります。

  • 今日も目標を達成できた
  • 自分にはできる
  • 努力なんて怖くない

⇒ さらに行動できるようになれる

「今日はこれをできた」というプラスの感覚こそが、あなたを強くしてくれます。

③行動を言語化する

作業が言語化されている状態

②と並行してやっていただきたいことがあります。それが、

「行動」を言語化する

例えば僕のブログ執筆の場合、言語化しないままだとこうなります。

今から一記事(4000文字)書くぞ

しかし、言語化するとこうなります。

  1. まずPCを開いてログイン
  2. 過去記事を見ながらテーマ選定
  3. googleでリサーチもしながらテーマ分析
  4. 決まったらWordPressにログイン
  5. 一文字目を書き始める

このように「段階的に」作業をとらえることができるようになるのです。

人の脳は、「抽象的なイメージ」を処理するのが苦手です。

一方、「具体化されたモノや言語「」を処理するのは大の得意です。 「ざっくりとしたイメージ」ではなく、

  • 何を使って
  • どのようにして
  • どの順番で
  • 何を行うのか

これらを言語化すると、より行動開始のハードルが下がるはずです。

④ 「気合」を前提にしない

モチベーションとやる気が高い人

この記事でも記した通り、作業興奮の原理を使いさえすれば、行動は長続きさせられます。

そしてもう一つ重要なのが、

できるだけ「気合」に頼らない

「気合」「モチベーション」といったものは非常に不安定です。

ちょっとしたことで崩れたり、逆に湧いてきたりします。

作業興奮の原理を用いれば、それらに頼らなくてもよくなるのです。

ただ淡々と行動を積み重ねること、継続することが最重要なことです。

詳しくはこちらの記事でもまとめています↓

「システム」が人生を好転させるイラスト
【成功哲学】「システム」が人生を決める理由努力が続かないのは意志が弱いからではありません。成功する人は「努力」ではなく「システム」を作っています。本記事では『Atomic Habits』の考え方をもとに、人生を変えるシステム思考と具体的な仕組み化の方法を解説します。...

まとめ

今回の記事のまとめです。

【結論】

  1. 作業興奮とは「行動⇒やる気」の順番
  2. 「やる気」はなくて普通
  3. 4分やれば長続きする
  4. 行動の合格ラインを低く設定する
  5. 「具体化」で脳への負荷を低する
  6. 「気合」に頼らない」

行動した者、行動できた者に成功の女神は微笑みます。

私も、読者の皆様に有益な情報をお届けできるよう、精進し続けたいと思います。

このブログでは、「この苦しみから抜け出そう、少しでも前を向こう」をモットーに、筆者の経験をもとにしたマインド、人生観、勉強法などを発信しております。

今後の記事を見逃さないためにも、SNSのフォロー、ブックマークをお願いします。

それではまた次の記事でお会いしましょう。