【それ、逆効果】不登校の子供にNGな親の接し方とは?脳科学で解説

- 「うちの子、また学校に行けなかった」
- 「どう声をかけたらいいかわからない」
- 「正しいかかわり方が分からない、、、。」
——不登校の子供を持つ親なら、誰しもこの悩みにぶつかることと思います。
恥ずかしながら、私自身中学二年生の時に不登校を経験し、当時の親(特に母)を困らせていたものです。
もう母は他界しているので詳しくは分かりませんが、おそらく、私との関わり方が分からず、苦しんでいたと思います。
そして現時点でも、同じ悩みを持たれている方は大勢いらっしゃると思います。
この記事では私の経験と脳科学を基にして、
- 「対応の仕方」が不登校の回復を左右する理由
- 親がやってはいけないNGな接し方
- 脳科学に基づいた、子供の心を回復させる接し方
以上の三点について深ぼって発信してまいります。
現在、不登校児は全国で35万人いるといわれています。当然、私自身もそのうちの一人でした。
その中で、苦しむ人が少しでも減ってくれたら、という思いで書いています。
ぜひとも、最後までご覧ください。
「対応の仕方」が不登校の回復を左右する理由

不登校は「心の問題」として語られがちですが、実際には脳の状態の問題でもあります。
子供が学校に行けないとき、脳内では強いストレス反応が起きており、これは本人の意志や根性とは別の、生理的なメカニズムによるものです。
この、「脳のストレス反応」については、別でまとめた記事があるので、ご覧ください↓

親の接し方は、この脳の状態を「悪化させる方向」にも「回復させる方向」にも働かせます。
つまり、対応次第で不登校が長引くか、比較的短期間で回復に向かうかが大きく変わってくるのです。
私の実体験として、母の接し方はよかったのか、悪かったのかの判断はつきません。
しかしながら、母の言動で私の感情面がプラスに振れたり、マイナスに振れたりしたことは事実です。
プラスに振れた時は「学校に行ってみようかな」そう感じることができました。
マイナスの時は、「学校なんて無理」そう感じてしまいました。
だからこそ、
- 何を話すか
- どのように接するか
- 「不登校」をどのように捉えるか
これらの要素を脳科学の視点から見直すことが重要になります。
不登校中の子供の脳に起きていること
1.ストレスと「闘争・逃走反応」(扁桃体の過活動)

学校に行けない子供の多くは、
- いじめ
- 勉強のプレッシャー
- 対人関係の疲労
などにより、脳の扁桃体(危険を察知する部位)が過剰に興奮した状態にあります。
これは原始的な「闘争・逃走反応」と同じで、本人にとって学校という環境そのものが「危険信号」として処理されてしまっている状態です。
このとき体は、心拍数の上昇や、朝になると腹痛・頭痛が出るといった形で反応します。
「ズル休み」のように見える症状も、実際には脳が発している防御反応である場合が少なくありません。
私自身、学校自体そもそも好きではなかったのですが、不登校になってから理由もなく「行きたくない」と感じるようになりました。
今思えば「脳が無意識のうちに危険信号を出していた」と感じますが、、、、。
2.安心感がないと前頭前野が働かない理由

脳の働きによって、扁桃体が興奮していると、理性的な判断や将来を考える力を担う前頭前野の働きが抑制されます。
つまり、
- 「将来のために頑張れ」
- 「今行かないと困るよ」
- 「行っても、誰もあなたを責めないよ」
このような、「理性に訴える言葉」は、脳がそもそも理性的に機能していない状態の子供には届きにくいのです。
これは
- 「やる気がない」
- 「甘えている」
- 「ズルをしている」
決してこのようなわけではなく、脳の機能として理性が一時的に使えなくなっている状態です。
このことを理解することが、次章で解説するNG行動を避ける第一歩になります。
やってはいけないNGな接し方
①無理に学校へ行かせようとする

- 「とにかく行けば大丈夫」
- 「行かないと癖になる」
- 「行かないとおいていかれるよ」
このように考えて、強引に車に乗せたり、布団から引き出したりする対応です。
ただでさえ子供は、学校という環境のことを「危険」だと感じています。
その危険源そのものを強制的に子供に近づけてしまうことになり、結果的にストレス反応をさらに強める結果になるのです。
短期的に行けたとしても、脳は「学校=強い恐怖」という関連付けをより強固にしてしまいます。
私自身も、何回か無理して学校に行った、いや行かされたことがあります。
そのタイミングで「やっぱり無理だ」と感じて、余計に行きたくなくなったことがありました。
②「なぜ行けないの?」と理由を問い詰める

理由を聞くこと自体は自然な行動だとは思います。
しかし、子供の側からしたらどう感じるか、考えたことはありますか。
子供は、「不登校である理由」を聞かれているのではなく、「理由を答えられない自分を責められている」と感じてしまうのです。
前述の通り、不登校の状態では理性を司る前頭前野の働きが低下しています。
故に、「理性的な理由」が答えられず、「なんとなくいきたくない」という曖昧な答えだけが出てくるのです。
「言わないのではなく、言えない」状態だと理解することが重要です。
私自身も、「なんで学校にいけないの」と聞かれたことがあります。
本当に、理由なんてないんですよね。答えられない。思いつきもしない。
皆さんのお子さんも、こんな反応ではないですか?
③:他の子供と比較する

- 「お兄ちゃんはちゃんと行ってたのに」
- 「みんな頑張ってるよ」
- 「みんなからおいていかれるよ」
このような比較は、子供の自己評価を脳科学的に下げる典型的な言葉です。
比較によって生まれる劣等感や恥の感情は、扁桃体をさらに刺激し、ストレス状態を悪化させます。
加えて、自己肯定感の低下は、回復に必要な「自分は大丈夫だ」という感覚そのものを奪ってしまいます。
私もこれは何度も言われてきましたし、言われるたびに傷ついて、余計に不登校が悪化した気がします。
そもそも論として、不登校であるかどうかに関係なく、「子供の他人との比較」はすべきではないとは思いますが、、、。
④過度な励まし・ポジティブ強制

「大丈夫、頑張れば乗り越えられる!」といった励ましは善意からのものですが、今のつらさを否定された感覚を子供に与えることがあります。
脳が今まさに危険を感知している最中に、無理にポジティブな感情を強制されると、「自分の感じている苦しさは認めてもらえない」という学習が起きます。
結果的に親に本音を話さなくなる傾向が強まります。
⑤:子供の前で不安や焦りを見せ続ける

親が「この子はこのままで大丈夫なんだろうか」と焦りや不安を表情・態度に出し続けると、子供の脳はその感情を察知します。
後述するミラーニューロンの働きにより、親の不安は子供の脳内にも伝染し、扁桃体の興奮をさらに助長してしまいます。
私が不登校だった時にも、親はかなり焦っていましたし、不安な様子でした。
第一に、子供として、申し訳なかったです。
そして同時に、さらに自己肯定感が下がり、学校に行けなくなる、、、、。
この悪循環にハマってしまっていました。
「私が悪い」と言えばそれまでですが、、、。
これらの接し方が逆効果な理由
以上が「脳科学に基づいて」よくないとされる、不登校の子供に対する接し方ですが、なぜ逆効果になるのでしょう。
発達心理学・脳科学の分野で重要な概念として「安全基地」というものがあります。
子供は、親という安全基地が確保されていると感じることで、初めて外の世界(学校や社会)に挑戦するエネルギーを持てます。
前章のNG行動は、いずれも子供にとって「親が安全基地ではなくなる」体験につながります。
家庭という本来最も安心できる場所で、評価・詰問・比較・否定にさらされると、子供は逃げ場を失い、心を閉ざしていきます。
また、安心できるはずの家庭でも緊張を強いられたりすると、興奮状態が慢性化します。
扁桃体は一度強く興奮すると、簡単には鎮まりません。なので、余計に不登校が長引いてしまうのです。
【科学的な論文】
不安型アタッチメントを持つ人は、不快な場面に対して前頭前皮質・前帯状皮質の活動が増加し、左扁桃体の活動が持続的に高まることをfMRI研究で示されている↓
Disentangle the neural correlates of attachment style in healthy individuals
それでは、どのように子供と接するのがいいのでしょうか。
良いとされている方法はたくさんありますが、科学的な裏付けが取れている3ステップをご紹介します。
脳科学に基づいた、子供の心を回復させる接し方
1.「安心・安全」を脳に伝える関わり方

回復の第一歩は、扁桃体の興奮を鎮めることです。
そのために最も効果的なのは、特別な言葉やテクニックよりも、「何があっても親はあなたの味方だ」という一貫したメッセージを、日常の中で繰り返し伝えることです。
具体的には、以下の内容です。
- 学校の話を急かさない
- 結果を問わずに「今日も一緒にいられてよかった」と伝える
- ただ単に、「日常的なコミュニケーション」をする
こういった小さな積み重ねが、脳に「ここは安全だ」という信号を送ります。
私自身、「日常的なコミュニケーション」をとることはかなり重要だと感じています。
不登校だからと言って、何か特別なことをしないといけないわけではありません。
難しいかもしれませんが、「普通」でいることが大切です。
2.言葉より態度・雰囲気が脳に与える影響

子供の脳、特に扁桃体は、言葉の内容よりも声のトーン・表情・身体の緊張感といった非言語情報に強く反応します。
どれだけ正しいことを言っても、
- 親の声が苛立ってる
- 表情が険しい
- 家全体の雰囲気が悪い
このようなものを察知すると、子供の脳は「危険」だと判断してしまいます。
言葉を選ぶ以前に、まず親自身が落ち着いた状態でいること、結果的に最も効果的な対応になります。
3.自己決定感(オートノミー)を育てる重要性

脳科学では、人が主体的に行動を選んだという感覚(自己決定感)が、モチベーションや回復力に大きく影響することが分かっています。
「いつ・どう動くか」を親が決めてしまうのではなく、小さなことから子供自身に選ばせるのです。
- いつ起きるか
- 何を食べるか
- どこに外出するか(家の周りの散歩でもいい)
このような、「決定する」という行為で前頭前野の働きを少しずつ取り戻していくことができます。
これは「放任」ではなく、「安全な範囲内での選択権を渡す」ことがポイントです。
親の心の状態が子供の脳に影響する理由

ここからは、少し難しい脳科学の話になるので、興味がない方は飛ばしてください。
人間の脳には「ミラーニューロン」と呼ばれる神経細胞があり、他者の表情や感情を見ると、自分の脳内でもまるで同じ感情を経験しているかのような反応が起きます。
これは特に親子間で強く働くことが知られています、
- 不安
- 焦り
- イライラ
これらのことを感じていると、言葉にしなくても子供の脳がそれを「察知」し、同じような緊張状態を作り出してしまいます。
つまり、子供に
- 「落ち着いて」
- 「大丈夫だよ」
- 「安心してね」
このようなことを、言葉で伝えても、親自身の内側が不安でいっぱいなら、その言葉は子供の脳には届かず、むしろ不安の方が伝わってしまうのです。
だからこそ、不登校の対応において最初に取り組むべきは、実は子供への接し方ではありません。
親自身が自分の不安とどう向き合うか、ということになります。
親が一人で抱え込まず、
- 友人に話す
- 両親に助けを求める
- 不安を自分自身で認識する
このようなセルフケアが、結果的に子供の脳の安定にもつながります。
10歳前後の子供を対象にしたfMRI研究で、他者の感情表出を観察・模倣する際に、下前頭皮質(ミラーニューロン領域)での活動の個人差が共感性や対人能力と関連していた
Mirroring others’ emotions relates to empathy and interpersonal competence in children – PMC
まとめ
この記事では、「不登校の子どもに対する親の接し方」について、科学的な視点と、私自身の経験も元にしてまとめました。
【やってはいけないNGな接し方】
- ①無理に学校へ行かせようとする
- ②「なぜ行けないの?」と理由を問い詰める
- ③:他の子供と比較する
- ④過度な励まし・ポジティブ強制
- ⑤:子供の前で不安や焦りを見せ続ける
【脳科学に基づいた、子供の心を回復させる接し方】
- 1.「安心・安全」を脳に伝える関わり方
- 2.言葉より態度・雰囲気が脳に与える影響
- 3.自己決定感(オートノミー)を育てる重要性
【親の精神状態は、子供に強く影響する】
私自身、不登校から立ち直った今思い返せば、「なんで学校に行けなかったんだろう」と感じます。
理由があって不登校になったわけではなく、とにかく「しんどい」だけです。
今、多くの方が不登校に苦しんでおられると思います。
この記事が、皆様の心の苦しみを少しでも軽くすることの一助となれば幸いです。
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