脳疲労とは?原因と回復方法を脳科学でわかりやすく解説

- 「なんかずっと疲れている」
- 「寝てもスッキリしない」
- 「集中力が続かない」
皆さんは普段、こんな症状に苦しんではいませんか。
それ、体の疲れじゃなくて“脳の疲れ”かもしれません。
現代はスマホやSNS、情報過多によって、知らないうちに脳を酷使しています。
この記事では、世界中から注目を集めている、Flow Research Collective社のCEO、リアン・ドリスの動画を参考に、
- 脳疲労とは何か
- なぜ起こるのか(原因)
- 科学的に効果のある回復方法
を、できるだけわかりやすく解説します。
Clearing Your Allostatic Load Makes Laziness Impossible リアン・ドリスは、フロー状態の研究と活用支援を行う機関「フローステート」のCEO。
ポッドキャストのホストとしても活躍。哲学・神経科学・MBAの学位を持ち、現在は博士号取得を目指している。
一部の成功者は、
- 俺はこれだけやった
- 一日中仕事のことを考えていないと成功できない
- やっていない奴は甘え
このようなことを言う人もいます。 けれども、「脳の休め方」について話す人は少ないです。
私自身も、この「脳の休め方」を知らなかったせいで脳と体に負荷をかけてしまっていました。
そこから、今回のメソッドを少しずつ実践することで、脳を正常に戻すことができました。
ドリスの語る、「正しい脳の休め方」、早速見ていきましょう。
脳が疲れる正体は「アロスタティック負荷」

ここがこの記事で最も大切なところです。ドリスはこう語ります。
ハードワークができる人とできない人の違い、
それは「仕事をしていない時」に何をしているかだ。
そして、続けてこう語ります。
現代人の多くは、十分な休息をとれていない。
つまり、「アロスタティック負荷」が解消できていないのだ。
なぜ現代人は疲れ続けているのか
「アロスタティック負荷」という言葉、おそらく耳にしたことがある方は少ないでしょう。
私も彼の動画を見るまでは存在すら知りませんでした。
アロスタティック負荷とは、「身体や精神の物理的な損傷/摩耗」のことを指します。 具体的には、次のようなもので生み出されます。
- 嫌な上司との仕事
- プレシャーのかかるプレゼン
- 納期の催促
⇒ アロスタティック負荷の増大
普段の生活や仕事の中では、アロスタティック負荷がどんどん蓄積していきます。
筋トレに例えるとわかりやすいはずです。 あなたが上腕二頭筋を鍛えようとしてトレーニングをしてたとします。
- ダンベルを上げ続ける ⇒ いずれ筋肉は破壊される
- 適度に休憩をはさむ ⇒ 筋肉は回復/増強される
アロスタティック負荷が解消されていない時、脳は常に
- アドレナリン
- コルチゾール
この二つの「ストレスホルモン」が分泌され続け、脳が支配されてしまいます。
人間の脳が集中状態にあるとき、「フロー」と呼ばれる状態の時は、
- ドーパミン
- セロトニン
- ノルアドレナリン
- エンドルフィン
- アノトミット
これらのホルモンが絶妙に混ざり合った状態になっています。
しかし、アロスタティック負荷によってこのバランスが大きく乱されてしまうのです。
結果的に、脳のパフォーマンスが下がってしまいます。 現代人の多くが抱えている、
「なんか集中できない、、、」
この感覚は、アロスタティック負荷が脳の集中状態を乱しているからなのです。
研究でも、「アロスタティック負荷が蓄積しているほど、思考力・判断力・集中力を削る」ということが分かっています↓
なぜ休んでも回復しないのか
ここからは、アロスタティック負荷の蓄積を解消するために必要なことをご紹介します。
①オンとオフが明確になっていない

まず最初に必要なこと、それは
オンとオフを明確に切り替える
例えばアスリートはそうです。 彼らは一日に何時間も練習やトレーニングに励んでいることでしょう。
しかし、彼らは一日中、はたまた一年中、一生の間トレーニングをしているのでしょうか。 答えは「否」ですよね。
- トップアスリートでも選手生命は平均7年
- 一年の内数か月はオフシーズンで休息
一方私たち、一般的なサラリーマンはどうでしょうか。
- 現役の期間は40~50年
- まとまって休めるのは長くても10日
休息の時間が圧倒的に足りていないのです。
オフの時に正しい休息をとることで、アロスタティック負荷を取り除くことができるようになります。
では、どれくらいの量、オフをとればいいのでしょうか。
取るべきオフの量
ドリスが提唱する「正しいオフの取り方」は以下の通りです。
- 一日に一時間はオフにする
- 毎週一日は完全オフ
- 毎月一回は3日の連続したオフ
- 3か月に一回は連続10日オフ
- 年一回、2週間のオフ
「休みすぎだろ」と思われるかもしれません。私もそう思いました。
けれども、人間が本来のパフォーマンスを出すためにはこれくらいの休息が必要なのです。
それに、オンの時は圧倒的な集中力、生産性でタスクをこなしていきます。
現代人の多くが、休みなしの状態で働き続けています。 そんな状態の中で集中力が出せないのは、ある意味では当然の結果なのです。
そして、休息期間中の過ごし方についても、注意点があります。
実は、多くの人が引っかかる罠があるといいます。 次のトピックに写っていきます。
②「休息=リラクゼーション」は間違い

ここで、多くの方が勘違いするポイントがあります。それが、
休息=リラクゼーションと考えること
- ネトフリでドラマを一気見する
- スマホゲームをする
- SNSをだらだら見る
上のような行為は「本当の休息」ではありません。 考えないといけないのは、「交感神経」と「副交感神経」の二つです。
③交感神経が休まっていない

交感神経と副交感神経という言葉、おそらく皆さんも耳にしたことはあるはずです。 簡単に整理します。
- 交感神経・・・活動、興奮、ストレス時に優位
- 副交感神経・・・消化・修復・休息モード時に優位
交感神経が優位の時は、集中力やパフォーマンス向上につながりますが、長続きするとストレスになります。
- ネトフリでドラマを一気見する
- スマホゲームをする
- SNSをだらだら見る
これらの行為は、一時的には「回復している」と感じるかもしれませんが、それは幻想です。
脳内でドーパミンという脳内物質が生成されることによって、快楽を感じているだけなのです↓

このドーパミンによって、交感神経が優位になります。
「本当の休息」とは、「交感神経を休め、副交感神経を優位にすること」です。
ドリスの言葉を借りると、「アクティブな回復」をする必要があるのです。
現代人の多くが、「休息」という時間でさえも交感神経をフル稼働させています。
神経系にダメージを負って集中力が下がるのも当然の結果です。
それでは、「副交感神経を優位にする」というためにはいったいどのような回復法がいいのでしょうか。
ここからは、具体的なアクションを7つご紹介します。
即効性がある回復
①呼吸

皆さんも無意識のうちに呼吸をしているはずですが、実は奥が深い世界です。
ドリスは動画の中で二つの呼吸法を紹介していました。それが、
- 4-7-8呼吸法
- ボックスブリージング
それぞれ詳しく解説していきます。
4-7-8呼吸法
手順は以下の通りです。
- 口から息を吐き、肺の中の空気を出し切る
- 鼻から4秒間、目いっぱいの空気を吸い込む
- 息を止めて7秒キープ
- 口から8秒間かけて空気を出し切る
これを4回行う
ボックスブリージング
こちらはアメリカ海軍特殊部隊、ネイビーシールズで採用されている呼吸法です。 手順は以下の通りです。
- 4秒間かけて空気を目いっぱい吸い込む
- 息を止めて4秒間キープ
- 4秒かけて空気を吐き切る
- 息を止めて4秒キープ
このサイクルで2~3分繰り返す
こちらの方が分かりやすいですし、筆者の私も実践しています。
そして、この呼吸法を使うべきタイミングがあります。それが、
作業に飽きてきたとき
脳に疲労が蓄積して集中力が落ちていくとき、このようなサインを出してきます。
- 飽きた↓
- 疲れた↓
- 眠い
できるだけ早期にこの流れを断ち切る必要があります。
なので、「作業に飽きたな」と感じたらすぐに深呼吸をしてください。
②アイスバス/コールドシャワー

アイスバスの効果は様々です。
- 筋肉の炎症・痛みの軽減
- 血管の収縮・再拡張による血行の促進
- リラックス効果・睡眠改善
ただし、本物のアイスバスは氷を使うので用意が大変だと思います。
そのような方はコールドシャワーでも代用できます。 もちろん、
- 心臓や体の弱いお子さんやお年寄りの方
- 高血圧や心臓疾患がある人
⇒ 危険ですのでお控えください。
私も生まれつき心臓が弱いので、「少し冷たいぬるま湯」程度を浴びています。
「コールドシャワーなんてつらいよ」と思われるかもしれません。
けれども前述したとおり、「リラクゼーション=正しい休息」ではありません。
「快か不快か」ではなく、「休息であるかそうでないか」で計るようにしましょう。
神経を整える回復
①サウナ

先ほどのアイスバス/コールドシャワーと併用しやすいかと思います。 サウナにも様々な効果があります。
- 疲労回復・筋肉の緩和
- 自律神経の調整・リラックス
- 睡眠の質向上
- 美肌
- 血行の促進
サウナに入ることで、脳に蓄積したアロスタティック負荷を軽減することができることが分かっています↓
Association between sauna bathing and fatal cardiovascular and all-cause mortality events – PubMed
私はサウナに入ったことがないので効果のほどはわからないのですが、余裕のある方は試してみてください。
「サウナはちょっとなぁ」と思われる方は、熱い風呂に入った後にコールドシャワーを浴びる、温冷浴でも代用できます。
②瞑想

瞑想も昔から存在する回復法の一つです。
- ストレスと不安の軽減
- 集中力と脳機能の向上
- 感情のコントロール
- 自己理解の深ま
これらの効果があるとされています。
また、近年の研究では、「瞑想を長い期間続けていた人は脳が物理的に大きくなっていた」ということも明らかになっています↓
Meditation experience is associated with increased cortical thickness – PubMed
根本から変える回復
①運動

これはもう常識だと思います。詳しいことは省きます。
運動と脳の働きには強いつながりがあることが分かっています↓
筋トレやランニングなど、種類は問いません。できるなら両方をこなすことをお勧めします。
私も腕立て伏せやランニングを始めてから、集中力が上がったように実感しています。 最初は外を散歩するところから始めてみてください。
②アウトドアを楽しむ

少しまとまった休みを取れたら、これをしてみてください。
「自然がある場所に来ると癒されるわぁ」という感覚、実は科学的にも正しいことであることが判明しています。
- コルチゾール(ストレスホルモン)
- 血圧
- 心拍数
これらの数値が下がり、身体がリラックス状態になることが判明している↓
都市や都会にあるイベントに言ったり、流行りの店に行くこともいいですが、自然と触れてはみませんか。
別に登山やサーフィンをする必要はありません。近くにある公園や緑地に行くだけで十分です。
〈最重要の回復〉
睡眠

ごくごく当たり前ですが、睡眠時間が不足していると脳の回転速度は低下します。
一般的な成人では最低7時間は寝る必要があるといわれています(個人差有)。私は8時間です。
皆さんの一人一人に必要な睡眠時間は違います。ここでは、「必要な睡眠時間」を見つける方法をご紹介しましょう。
- まとまった5日間の休みを取る
- アラームは全部オフで寝る
- 5日目の夜の睡眠時間が必要な睡眠時間
おそらく、一日目の夜はものすごく寝ることになるはずです。その分、「睡眠負債」がたまっていたことになります。
その後徐々に睡眠時間は短くなり、5日目には本来の睡眠時間になるのです。
多くの方は7時間~8時間に落ち着くようです。 次のゴールデンウィーク、お盆休み、年末年始などに是非お試しください。
まとめ
当記事のまとめです。
【脳の休め方の注意点】
- オンとオフの切り替えが大事
- 「休息=リラクゼーション」ではない
【具体的な休息法】
- 呼吸
- アイスバス(もしくはコールドシャワー)
- サウナ(熱い風呂で代用可)
- 瞑想
- 運動
- アウトドア(自然を感じる)
- 睡眠
どれか一つでもいいので、普段の生活の中で取り入れてみてください。 今回の記事は以上です。
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